DISCOGRAPHY

23th ALBUMSAVE OUR SHIP

SRCL-5140
2001/08/22 released



まず出来たのが、『モノクロームの虹』。メンバーを集め、自分で譜面を書いて、ギターも全部自分で弾いて、ひとりで手作りのようにして出来たはじめてのシングル。これが意外によかった。次が『LOVE HAS NO PRIDE』。 この曲は、プロデューサーの水谷公生さんと、彼が導入したプロトゥールスというコンピューターソフトを使って制作した。頭の中でアレンジした場合、譜面に書いて実際やってみると、想像通りにならなかったりすることがあるけれど、プロトゥールスを使えば自分の望む音をその場で聴きながら作っていくことができる。
『LOVE HAS~』は、おそらく日本のポップ・ミュージックでプロトゥールスを使った最も初期の作品のひとつのはず。その後、『詩人の鐘』『…to be"Kissin' you"』と同じようにしてシングルを作るうちにプロトゥールスもグレードアップし、俺も何ができるのか詳しくわかってきた。それらの経験を生かして、今回も水谷さんに協力してもらいながらアルバムを作ることにした。たとえばベースやサクソフォン、オーケストラなどどうしても専門的なプロフェッショナルでなければできないものはミュージシャンに頼み、ギターは俺と水谷さん、ほぼ全部ふたりで弾いている。その他の楽器も80%ぐらいはふたりの相棒のコンピューターによるもの。そういう意味では21世紀的な音の作り方になったけれど、だからといって完璧なコンピューター・サウンドかというと全くそうではなく、手触りは非常にアコースティックなものになっていると思う。水谷さんに言わせると「デジタルって曖昧じゃないから、逆にその人の感覚が思いっきり出てくる」とのこと。同感だ。シングルとして発売された『君の名を呼ぶ』は、メロディは97年くらいに出来ていて気に入っていたのだけれど、詞がなかなか書けなかった曲。メロディとの関係がまるで長いつきあいの友達のようになってしまい、「こんなに手こずらせるなら、もう縁を切る」と冗談のようなことまで思った。それが今回やっと出来て、とてもうれしい。聴いた人は「こんなシンプルな歌詞なのになぜ」と思うかもしれないけれど、俺自信が思う旋律と言葉とのマッチング――メロディは熱くなっているのに言葉がついていかない、あるいは逆に言葉がウェットすぎるとか――に対するこだわりがあるんだと思う。
ミキシングとマスタリングは水谷さんの提案もあって、イギリスで行った。ミキサーはスティングの作品でグラミー賞をとったサイモン・オズボーン。もうひとりが、ロンドンの若いエンジニア、クリス・シェルドン。たとえば、70年代にステージで演奏していてレコードにはなっていなかった曲『あい色の手紙』は、星勝さんのアレンジとサイモンのミキシングがとてもいい化学反応を起こして、すごくエモーショナルな仕上がりになっている。

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