DISCOGRAPHY

24th ALBUM初秋

SECL-10004
2003/09/26 released



『SAND CASTLE』で始まったバラードのセレクションアルバムの最後の作品です。恋をして一緒に暮らして結婚して、だけどうまくいかなくて別れたり……。そんないろいろなことがあるけど、最後は愛情に、恋じゃないけど深い愛にたどり着くというテーマのアルバムを作りたかった。
 1曲目の『君に捧げるlove song』は、それを象徴する曲。この歌を作るきっかけになったのは、自分が見た夢なんです。夢の中に父が出てきて、それが現実とは違う母のお通夜の日で、父が母のいた布団をさわって「母さんの温かさが残っていて、匂いがするな」と言った。そこで目が覚めて、このことを書こうと思ったんです。自分も50代になり、年齢的なものを意識せざるを得ない時期になってきたというのも、ありますね。
 ただ、"死"や"別れ"がテーマなのではなくて、何十億という人がいる中で偶然出会って、恋人になったり夫婦になったり親子になったりするということ、そしてそれは永遠には続かないということ。だから大切なんだということ。それは、人生の"初秋"が来たり、近づいていくという時期じゃないと感じられないのかもしれないですね。
 まあでも、最初の5~6曲目くらいまでは辛く苦しい歌が続くんで、作っていて「みんな、ちゃんと聞いてくれるかなあ」と心配しました(笑)。だから歌の重さをサウンドで救う、音楽で救うというのは、すごく意識した。サウンドプロデュースを星勝さんにお願いして、俺の作る歌の特徴である、エイトビートでも少し跳ねてる感じ、スウィング感を出したいと話をしました。音楽的にはすごく完成度の高いアルバムだと思う。星さんがいなければ出来ない、星さんならではのアレンジですね。
 ひとつひとつの楽器の音色を大切にしたいというのもあって、たとえば『君の名を呼ぶ』はピアノと生ギターとチェロにするんだと、最初から星さんにしつこく言いました。『君の名を呼ぶ』のチェロは素晴らしい。この曲と『君に捧げるlove song』と『永遠の恋人』は格別に好きですね。ボーカルもよく歌えていると思うし、サウンドもミックスもいい。
 ミックスはイギリスのバースから2~3時間離れた田舎町にある、『SAVE OUR SHIP』と同じ、スティングのスタジオで行いました。『SAVE OUR SHIP』のときは3月で天気のいい日がなくて「すごい寂しいとこだなあ」という印象が強かったんだけど、このときは初夏の頃で天気がよくて緑も鮮やかで気持ちがよくて。その印象が強いですね。ミキサーのサイモン(サイモン・オズボーン)も、すごく穏やかでピュアな感じの人で、彼の作るサウンドとアルバムがすごく合っていた感じがします。

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