DISCOGRAPHY
25th ALBUMMy First Love
SECL-3026
[アナログ盤] SEJL-11
2005/07/06 released
- 01光と影の季節
- 02この夜に乾杯!
- 03旅立ちの朝
- 04Thank you
- 05デスク越しの恋
- 06誰かどこかで
- 07I am a Father
- 08花火
- 09初恋
- 10君と歩いた道(album ver.)
- 11ある晴れた夏の日の午後
歌を書き、アルバムを作り始めて30年がたつ。浜田省吾はアルバム制作のたびに、常に前作より優れたものにしたいと願い、自分自身に課すハードルのバーを高く設定し続けてきた。
だからこそ、彼の音楽キャリアの頂点ともいえる、世紀をまたぎ4年にわたるツアー"ON THE ROAD 2001"を終え、さらにそのツアー中に制作したアルバム『SAVE OUR SHIP』を経て、「今までよりさらに優れた作品を作ることができるのか」「ソングライターとして限界を意識する時期に来ているのでは」と自問することもあったという。
しかし、そんな気持ちとは裏はらに、2004年に入り浜田省吾は「まるでゾーンに入ったかのごとく」一気に曲を書き上げた。主人公である男たちの日々の中にある"光と影"、その一瞬一瞬を切り取った短編小説のようなアルバム。短編小説でありながらその全ての楽曲が、一気に書き上げた勢いのまま空気を揺らし、聴く者にも“一気に聴きたい”思いを起こさせる全11曲である。
サウンドとしては、ひと言で言えば初心に帰るアルバム。作者はこう語る。「実は俺には初恋の人と呼ぶにふさわしい女のコがいないんです。それであるときふと思いました。ひょっとしたら俺の初恋は1963年、10歳のときにラジオから流れるビートルズを聴いて大好きになった、あのときなのかもしれないって」。タイトルの『My First Love』には、そんな思いも込められているのだろう。
「ロックミュージックとは何か」「ロックをやっている日本人の自分のアイデンティティとはいったい何か」などといったことを考える以前、彼が10代前半の頃R&Bやロックに夢中になった、その当時の素直で初々しい気持ちに帰る音になっている。もちろん、60年代や70年代のフレーバーをふりまきつつ、その時代を回顧するノスタルジックな歌にはけっしてならないところが、浜田省吾の"現役性"である。
J.J.P(Jack Joseph Puig/グラミー最優秀楽曲賞を獲得したジョン・メイヤー『ドーターズ』のプロデューサー兼エンジニア)やクリス・ロード・アレジ(同じく最優秀ロックアルバム賞を獲得したグリーンデイ『American Idiot』のエンジニア)など世界でもトップのミキサーの協力も得て、そこにはまさに2005年の旬な音が展開されている。